【インタビュー】茶の交流

投稿日:2021年7月2日 更新日:

コロナ禍となり、生きている人との交流が減っています。であるならば、交流の機会そのものをより多くする、目線を変えてみてはいかがでしょうか。

遠州流の宗家に内弟子として修行をしていた茶人 武井宗道さんにお話を伺いました。彼には、陽岳寺での闘茶会や暦の茶会、お彼岸のお中日に薄茶をいただく機会を設けてもらっています。

◆ご自宅でお抹茶を楽しむとしたら

自分でいただくとしても、どなたかに点てるとしても必要な道具があります。

  • 茶碗:ちゃわん
  • 茶筅:ちゃせん
  • 抹茶:まっちゃ
  • (茶杓、湯、ふきん)

「茶碗」お抹茶専用のものでなくとも構いませんが、お好みを探してみてください。

「茶筅」抹茶を撹拌させるための道具で消耗品です。国産や外国産、薄茶用や濃茶用、数の違いなどあります。

「抹茶」薄茶用や濃茶用などの差があります。濃茶用のお抹茶が美味しいように感じますので、お薄を濃茶用の抹茶でよくいただいています。
茶事のなかでのお点前ではありませんので、抹茶は缶や袋にはいったままでも構いません。
同様に、抹茶をすくう茶杓(ちゃしゃく)がない場合は、スプーンでも構いません。ただし抹茶はダマにならないよう、茶こしなどでふるっておきましょう。
かつては古い木ほど良い茶葉が採れると信じられていましたが、現代では、薄茶用・濃茶用と品種を分けて作っています。

◆薄茶の点て方

①茶碗をあたため、茶筅をしめらせる
沸騰したお湯を茶碗にそそぎ、あたためます。そこに茶筅をいれ穂先をしめらせます。薄茶を点てているあいだに、茶筅の先が折れないようにするためです。
お湯をふちまで届けてから、茶碗を傾けてゆっくり回し、あたためます。あたたまったら、お湯を捨てて茶碗の内側を完全に拭きあげます。

②抹茶を茶碗に入れる
茶杓などで抹茶を茶碗の底に、スプーン約1杯/茶杓2杯半(約1.5g)入れます。茶杓ですっすっと抹茶を馴らしてもいいでしょう。

③お湯を入れ、茶筅で撹拌する
お湯(約70ml)を茶碗に入れます。ポットから直接お湯をいれても、いったん急須や湯ざましを通してからでも構いません。
お湯を入れたら、茶筅を持ち、茶碗に入れて撹拌します。
底や壁に茶筅が触れないようにします。底からすこし上の部分で茶筅を振ると、泡が立ちます。茶筅を表面へとすこしずつ上げ、同時に動かす速さをゆっくりにしながら抹茶表面の大きな泡を細かくします。
最後に茶筅を、茶碗中央でとめて、しずかに上へ引き上げます。
細かい泡が薄茶表面を覆うようにして、特に中央がふっくらと盛り上がっているといいでしょう。(茶碗の側面に抹茶の粉がついているかもしれません。泡立てながら、茶筅で茶碗側面の粉を取ります)

④茶碗の正面を、相手へ向くように置きます

お茶を点ておわったら、きれいに点てられているか確認をします。茶碗の正面を相手に振り向けて、相手の前に置きます。

◆お菓子の食べ方

お菓子(干菓子、主菓子や果物など)がある場合は、お茶が点てられる前にいただきます。

◆薄茶の飲み方

薄茶は片手で、濃茶は両手で茶碗を持ちあげます。茶碗を片手で持ち上げ、反対側の手のひらで受けます。茶碗の正面をすこしずらし、抹茶をいただきます。ぜひ感想を述べましょう。
飲み終わったらば飲み口を指ですっすっと清め、先ほどずらした茶碗の正面を戻して、片手で自分の前に置きます。
茶碗をかえすときは、点ててくれた相手へ茶碗の正面が向くように、茶碗の向きを直し、相手の前に置きます。
実際に点てている様子は、陽岳寺YouTubeチャンネルに動画がありますのでご覧ください。お菓子や薄茶のいただき方は、ご自宅の場合は、好きにお召し上がりください。

◆世界一はやい飲み物

お茶は「世界一はやい飲み物」とも言われます。コーヒーや煎茶などは、お湯を注いで成分が抽出されるまで待つ時間が必要です。その時間も素敵なのですが、お茶の場合はその時間がありません。器を用意して、抹茶をいれ、お湯を注ぎ、混ぜれば出来上がりです。
茶葉をまるごと粉末状にしたものが抹茶ですので栄養価も高く、カフェインの覚醒作用もある。すこし時間のない朝にはおすすめです。

◆「茶の交流」あってこそ

コーヒーや煎茶などをただ飲む行為としての「喫茶」と、「茶の湯」との線引きはあいまいです。薄茶をガバガバ飲むだけなら喫茶です。
その場・その人・その時の制限にあわせて、もてなしの形式を組み立てるのが「茶の湯」と考えています。制限とは、作法や形式・流れ、いつ終わるのか等です。茶事であれば、路地があり、お膳があり、お濃茶があり、出ていく。
そんな一定のかたちのなかで、亭主(もてなす側)がどんな人で、客(もてなされる側)がどんな人なのか?それぞれの姿・人物像が分かっているうえで、もてなし・もてなされるが行われていると、豊かな人間の触れあいと言えるのではないでしょうか。
たとえば朝ご飯のあと、互いを思って茶を点てあう。相手が暑そうだなと見えたら氷をいれてみる。眠そうだなと見えたら濃い目にしよう、と工夫する。抹茶ではなく、コーヒーや煎茶でもいいのだと思います。

これを「茶の交流」と言うのでしょう。茶の醍醐味とは、「茶の交流」あってこそなのです。

コロナ禍となり、私たちはせまい人間関係のなかで生活することが多くなりました。これはむしろ、濃密な時間をとれるようになったとも言えます。もてなす側も、もてなされる側も、相手をおもんばかってお茶を楽しむ「茶の交流」にもってこいです。おひとりでの喫茶でも構いません。茶を楽しむ時間をもっていただけたら幸いです。

 

武井 宗道(たけい そうとう)

昭和63年 東京都生まれ

2011年武家茶道、遠州茶道宗家内弟子入門。2013年御家元より「宗道」の号を頂く。同年独立。流派に依らない茶の湯の活動を始める。

SOTO茶会 公式ウェブサイト https://www.sototakei.com
武井 宗道|note https://note.com/sototakei/
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SOTO茶会さん (@sotocha_office) / Twitter https://twitter.com/sotocha_office
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◎編集後記◎対談の企画として、茶人の武井宗道さんにお話をうかがいました。YouTubeチャンネルでは濃茶の点て方や「茶の交流」についてもっと詳しくご説明いただいております。茶には、気持ちが落ち着いて、さわやかになる効果もあると思います。お試しください。

●コロナ禍となり、陽岳寺YouTubeチャンネルを続けています。お仏壇やお写真の前で、一緒に読経できるようご用意しています。 https://www.youtube.com/channel/UCHbcF0FYkOp5kp0bHPQksXQ

●市童のらくご[2021年7月16日(金)、8月18日(水)]開場19時 開演19時半/木戸賃:予約1500円 当日1800円/備考 マスク着用を願います。体調の悪い方はご遠慮ください。開催時間の変更など詳細は陽岳寺ウェブサイトをご覧ください。

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