【コラム】気持ちが大事〜お布施について

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《住職の一言》
お供えされたお布施は陽岳寺の護持の助けとなります。線香代や塔婆代などはお布施であり、価格は本来決まっていません。目安としてお伝えしております。時代も変わり、原価も変わります。では檀家寺としてどうしたらよいでしょうか?今回の内容です。

【コラム】気持ちが大事

《これからお経をお読みします。後半のお経の時に皆さま順番にお焼香いただきます。まず喪主の方が前に出られまして、お焼香台の前で合掌。ひとつまみ取ってパラパラ。最後に合掌。食事の前と後にいただきます、ごちそうさまをするようなものです。
こういった儀式に参列をするときに一番大切なことは「自信をもって行う」ことです。ご命日よりも前の日程で年回忌はした方がいい。お墓参りは午前中の方がいい。そんなお話を聞いたことがあるかもしれません。その理由は忙しくしているうちに過ぎてしまうからなのですが、ここで大切なのが「指定する」ことです。
私たちは今日という日時を決めて、服装も整えました。連絡をしあって準備しました。今日は誰の何回忌なのか、お花やお供え、お塔婆の名前も。指定することが大事。
真心を込める、というのは、心の置き所を指定することです。いまお寺にいない人がいるかもしれないけれど、今日やるんだってみんな思ってるよ。写真も飾ったよ。これ好きだったよね。良い香りを届けてあげたい(お焼香パラパラ)。
あれ?どうやってやるんだっけ?と気持ちが迷うのではなく、主体的に行うこと。「自信をもって行う」、気持ちが大事なのです。》

……以上は、ふだんのご法事でのお焼香について説明の内容です。

◆明朗会計のお布施と、お気持ち

ホームページを見ました、掲示板を見ました、ご供養やご祈願できますか?と問い合わせやご依頼をたびたびいただきます。

とくに聞かれることがお墓のことと、お布施についてです。

「お布施って高いから頼めないな……」と思う人がいらっしゃる。そのようなご意見をしばしば伺います。残念なことです。

陽岳寺では、お布施についてお伝えしております。本堂でのお花代はいくら、お塔婆は5千円と3千円、ご法事では5万円の方が多い、お通夜とご葬儀とお戒名はすべて込みで……などです。いくらか分からないのではかえって迷ってしまう、それでは安心できない。ですからお伝えをしております。あくまでも目安であり、すぐにご持参されなければいけないものでもない。

さて、仏教で考えるお布施とはなんでしょうか。たしかにお布施は護寺運営の助けとなります。ただ不思議なことと思われるかもしれませんが、「お布施の金額の大きさ=功徳の大きさ」ではありません。

「安く済んで良かった」「納め過ぎて続かなそうだ」「やってやった」というお気持ちではお布施にはなりません。

では何が大切なのか。

主体的に行うこと。「自信をもって行う」「気持ちよく供養をした」という心持ちが大事でありましょう。

実例として、たとえばこのようにご用意されている方がいらっしゃいます。

  1. 3人きょうだいで2万円ずつ集めて、そのなかでやりくりしました
  2. お彼岸ごとに「お墓参り」と称して法事をしています。末永い金額にしてくださいねと住職から言われ、3万円にしています
  3. 乳児のエコー写真を供えての代理供養を1万円でお願いしました。その後、お施餓鬼にお参りしています
  4. 自宅での1周忌を依頼しました。お布施とは別に、お車代とお膳料として1万円をお渡ししました。7月のお盆法要に毎年参列しています。

様々な方がいらっしゃいます。友人と会ったら、その時のお気持ちをもって会話をするように。お布施についても、その時のお気持ちと向き合うことが肝要です。

◆今日を生きる「気持ちが大事」

お墓参り、ご法事、ご供養を通じて得られることがあります。それは「今日を生きる力」です。

お寺、仏壇の前やお墓の前でのひとときとは、故人を偲ぶだけではなく、私たち自身が今この瞬間をどう生きるかを見つめ直す機会でもあります。忙しい日常の中で、ふと立ち止まり、心を調える。お焼香の際、煙がゆらりと立ちのぼるのを見ながら、ほんの一瞬、頭の中の喧騒が静まるのを感じるときがある。その瞬間、私たちは自分自身と向き合い、日常の慌ただしさから解放される。ご供養とは、故人を想うだけでなく、自分自身の心を清め、明日への力を養う場でもある。仏教では、「今、ここ、わたし」を注視しよう、自信をもって行おう、大切に生きることを説きます。まさに「今」を感じるための特別なひとときです。

陽岳寺では、皆さまが安心してご供養に臨めるよう、目安をお示ししていますが、それはあくまで一つの道しるべ。きょうだいで出し合ったお布施、毎年のお彼岸に決めた金額、子を想う祈り……これらは「今日を生きる」中で選んだ行動。その一つひとつが、私たちの心に小さな確信と穏やかさをもたらすのです。ご供養とは、故人のためだけではなく、加えて、生きる私たちの心を強く、しなやかにしてくれる。

仏教には、「自利利他」という言葉があります。自分を大切にしながら、他人にもその心を広げていくこと。ご法事やお布施は、まさにこの精神を体現する行為です。自分を調え、故人を想い、そして周囲の人々との繋がりを大切にする……そんな小さな積み重ねが、人生を豊かにし、毎日に力を与えてくれる。陽岳寺は、そんな「生きる力」を感じられる場所でありたいと思っています。そのためにはお参りをしやすい状態のままにしたい。しかし光熱費や原価、輸送費も上がっています。その時その時の自分の気持ちと向き合う機会も取りたい。

なにか良いお知恵がありましたら、ぜひご教示ください。(住職)

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