【お知らせ】お盆法要 厳修&【コラム】前後不覚

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8月13日富岡八幡宮例大祭 神輿連合渡御があります。時間によって、陽岳寺付近が通行止め、門前仲町駅が混雑します。お気をつけください。

また、7月号にて、副住職の新住職就任のお知らせをいたしました。皆様から過分なるお祝いを頂戴しました。有り難うございます。

【お知らせ】お盆法要 厳修

7月9日午後2時より初盆・お盆合同法要を行いました。約30名の方々にご参列いただきました。ありがとうございました。

陽岳寺は7月13~16日をお盆としております。7月盆までに四十九日忌法要または納骨された方を初盆として、合同法要の案内をおはがきにてお知らせしております。

お盆は日本に住む私たちにとって、切っても切れないご縁があります。とくに初めてのお盆は大切です。陽岳寺檀信徒の全ご家庭にお伺いしてお経をお読みすることが難しいため、お寺での合同法要を設定しております。

初盆でない方もお位牌やお写真をお持ちになり、ご来寺されます。どうぞ来年もお参りください。8月盆は8月13~16日です。

【コラム】前後不覚

「前後不覚」を辞書でひくと、正しい判断ができなくなること。物事の後先が分からなくなること。正体を失うこと、そのさま。…とあります。

わたしはお酒を飲みません。夕飯の支度をすることもあり食い道楽に寄っていますから、お酒で前後不覚に陥るなんてことも基本ありません。

しかしこの言葉は不思議です。「お酒を飲みすぎて前後不覚に陥る。」このときの前後とはなんの前後でしょうか。この身体の、目の向いている方が前でしょうか。前に進む、後ろに戻る。なぜ身体の動かしやすい方向が前なのでしょうか。

「大変なことが起きてしまった。お先真っ暗、前後不覚に陥る」このときの前後とはなんの前後でしょうか。人生の行く先の、時の来たる明日の方向が前でしょうか。

ポジティブでいたい。より良く生きていきたい。人生、前向きでいたいものです。このときのポジティブ・良い・前とはどちらでしょうか。ずっとポジティブ、ずっとより良く、ずっと前向きでいられないにも関わらず思ってしまう。成長戦略的に右肩上がりでなければならない、とウン10年と学んできて染みついた人間の性なのかもしれません。「まわりの成功」を見て、このようなポジティブ・良い・前が正解なのだと学んだ結果です。

「前向きに生きる」とは、日々ハツラツとして、健康で、やりたいこともあって、転ばずに道を歩き、おいしくご飯を食べて、寝る。そんなイメージを持ちました。まるで行きたい方向の先が具体的に知っている・分かっているからこその言葉です。

短期的な「ポジティブ、前向き、より良く」はよいと思います。状況によっては、落ち込んでもいられませんし、イケイケドンドンで過ごしていきたい。しかし、長期的に見たら「ポジティブ、前向き、より良く」は成り立たないと分かります。なぜならば反対が引き立つからです。すなわち「ネガティブ、うしろ向き、悪い」な状態がイメージされてしまう。さらには、それらを否定し、忌避し、嫌うにも関わらず、そうなってしまう時が必ずやってくるのです。ポジティブを立てたが故にネガティブが生まれ、前よりもマイナスが生まれ、苦しんでしまう。

ではどうすればいいか。前向きでいい。ただし、「前」をよくよく見つめ直すことをすすめます。道の行く先、道を来た前をよくよく見つめ直すことです。

道の行く先=「死後」ではありません。道を来た前=「生前」ではありません。死という現象とはなにか、生まれてしまうとはなにか。死の分からなさ・自分が存在していることの不安と直面することとなります。

死とは絶対の分からなさの塊です。幽霊や霊魂について臨済宗・仏教は何も言いません。あるとも、無いとも言いません。行く先の通過するであろう死が絶対に分からないのですから、その道の途中も不安定となる。ではこの私が生まれた事実はどうかと言えば、これも分からない。たしかに父と母がいたからこそ生まれたわけですが、この私がこの私をこの私として産んでほしいと頼んだわけではない。生まれてしまったのがわたしであり、わたしの存在も生き方もそもそも土台は不安定なのです。
家庭内虐待を考えてみれば、子どもは親を選んで生まれてくるわけではないのだ、人は生まれてきてしまうのだ、と分かります。
不安定な土台の上に積み上げても、すこしツンと指でつつけば崩れてしまうそんな砂上の楼閣こそこの私。落ち着いて、冷静に振舞っていますが、そもそもこの私とは前後不覚であったのです。信じられないことですが。冷静なふりをして、ただ見つめるのみ。

私は生まれてしまった。死は意味もなく絶対に訪れる。私たちのそもそもの前後不覚具合、ここを引き受けることこそ、本当に「ポジティブ、前向き、より良く」生きることといえるでしょう。

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