【コラム】花まつり

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4月8日はお釈迦さまの誕生日。このお祝いをする仏教行事を『花まつり』といいます。
お釈迦さまがルンビニという場所の花園でお生まれになったとき、天は甘露の雨を降らせたとも言われています。
その伝説から、『花まつり』の行事では「灌仏(かんぶつ)」、甘茶かけが行われています。
花で飾った屋根付きの小屋に、お生まれになったときの姿の仏像をご用意して、甘露の雨に見立てた甘茶をかけるのです。
また白い象に乗って下界に降りてきたこと。天より母親の胎内に宿ったいわれから、白い象を引いたお稚児さんの行列も行われます。

この『花まつり』をきっかけに、ご家族やご友人たちと、「自分が大切だと思っていること」を雑談していただきたい。そんな想いを込めて、とある遊びを考えました。同封いたしましたので、ご笑納ください。
その名も『花まつり』ポストカードです。
詳細はこちらホームページをご覧ください。(→ www.puninokai.com/lumbinifestival

日本中のお寺に定着している仏教行事『花まつり』ですが、そもそも『花まつり』とはなにを伝えたいのでしょうか。
法要や甘茶かけなど、伝統儀礼は大事ですが、『花まつり』をきっかけになにを伝えたいのか。なにをしてほしいのか。
仏教のはじまりを作ったひとのご生誕を祝う、お釈迦様の誕生日であることを知っていただく。たしかにそうです。
故人に手を合わせる習慣のはじまりはお釈迦さまと言えますから、感謝の念を込めるのは理解できます。

ではここですこし目線を変えてみます。お釈迦さまの誕生日ではなくて、たとえば「友達の誕生日会に出席をする」ことを思います。
なぜ出席するのでしょうか。
呼ばれたから行くだけ、なのか。返報性を期待して、自分の誕生日会にも来てほしいからでしょうか。
いいや違う。純粋におめでとうと言いたいからではないか。その友達に会いたいから、集まったみんなと祝いたいからではないかと。

その友達と出会えたことがうれしいから。
出会えたからこそ、つらいことがあったり、一緒に遊んだり、癒されたり、いまの自分がいたり、ケンカしたりできたのではないか。
出会ったおかげに感謝をしたい。そして、これからも友達とのご縁を大切にしていきたい。
この敬うべき、重大で、価値の高い、すばらしさを表明するにあたり、「(出会いの)すごさ・ありがたみ」「(今日までの)おかげ」など様々な言葉で言い表したくなります。もしも一言であらわすとすれば、「無上尊」。つまり、“尊い”という言葉ではないか。
誕生日とは、いのちが誕生したことによって育まれる、ご縁の有難さ・いまの自分への繋がりについて考える日なのでしょう。
ご縁について発見したお釈迦さまはお生まれになったときに、このように言いました。「私は尊い存在である、すでにその根拠を持っている」。お釈迦さまの誕生に、この私の誕生に、いまここの私を誕生させた出会い・ご縁を尊ぶこと。
これが誕生を祝うことなのだと考えます。

こうして花まつりの儀式とは、お釈迦さまとの出会いに感謝をしようと。縁起の法則を発見した功績を祝おう。仏法との出会いに手を合わせたい、お生まれになった日に、お生まれになったときのお姿と言われる仏像に甘茶をかけて、態度で示すこととなりました。

『花まつり』は“尊い”を分かち合う日。
“尊い”とは、「自分が大切だと思っている」「誰にも理解されないけど素晴らしい」「こころに安らぎをもたらしてくれる」ことです。
花まつりポストカードでは、カラー面に書かれている質問1~8に順番に答えることで、その人の“尊い”を知ることができます。ばかにすることなく、興味を持って、心を開いて、『花まつり』をきっかけにお話をしていただきたい。そう考えています。(副住職)

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